【THB】新カードお試し会

1/24にテーロス還魂記が発売されるので,ELDに引き続き発売前に身内でお試し会をしました.

記事公開時点ではすでに発売してしまっていますが,まあ参考までに.

今回も使用したデッキごとにカードの感想を述べていきます.

 

前回のお試し会の感想はコチラ

【ELD】新カードお試し会 - Ruiheel’s blog

 

※ デッキビュワーはMTG Decklist Viewerを使わせていただいております.

※ 環境とかわからないのでサイドボードはありません.


黒単信心(ミッドレンジ型)

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[GRN - THB] 黒単信心(ミッドレンジ型)

最初は黒単信心.

旧テーロスの頃はMTGをやっていなかったので「信心」というシステムはほぼ初めて.

神話コモンこと《アスフォデルの灰色商人》がどれくらいやるのか試してみた.

デッキとしては《ロークスワインの元首、アヤーラ》と,《大釜の使い魔》《魔女のかまど》の2枚,いわゆる「猫かまど」ギミックを軸に据えた黒単に,信心要素を入れたものになっている.

《アスフォデルの灰色商人》以外の新カードとしては《悲哀の徘徊者》と《悪夢の番人》,除去として《死の国への引き込み》を採用.

《悲哀の徘徊者》は待望のノーコスト & 複数回起動可能なサクり台クリーチャー.《真夜中の死神》や《悪夢の番人》とのシナジーが期待されるが,果たして.

《悪夢の番人》は4マナ4/4飛行というなかなかのスペックでありつつ,「味方が死んだら1/1のコピーを生成」という相手からしたら面倒な能力を持っている.個人的にはプレビュー当初から期待の1枚.空白になりがちだった黒単の4マナ域を埋めつつ,個性的な能力でプレッシャーを与えられるか.

《死の国への引き込み》は「フリーコストが1減っただけの《殺害》が使用に耐えうるのか」という検証がてら投入.

新カードの感想

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《悪夢の番人/Nightmare Shepherd》

はっきり言ってバケモン.盛り抜きで想像の5倍強かった.

まず,味方の死亡時に誘発することから,相手からすればこいつ以外に死亡を伴う除去を使えない上,あろうことか全体除去を撃てばこいつ以外全員帰ってくる.2体いれば本人も相方も帰ってくる.

また,これが生み出すコピートークンはサイズが縮む以外はオリジナルと同じ.つまり,クリーチャーの能力も持っている信心もそのままで出てくる.《ロークスワインの元首、アヤーラ》は信心3 + ドレイン,《悲哀の徘徊者》であればサクり台 + ヤギ,当然だが《アスフォデルの灰色商人》の凶悪なETB能力は復活時にも誘発する.《ヤロクの沼潜み》に至ってはオリジナルと同じ奴が出てくる.

こいつと《アスフォデルの灰色商人》を含めた複数体のクリーチャーを全体除去に巻き込むと,コピートークンのETB能力だけでうっかり死ぬまである.

 

さらに,サクり台と組み合わせるとより凶悪な能力になる.

コピー生成を能動的に行えるようになるため,前述の《アスフォデルの灰色商人》のETB能力の使いまわしがしやすくなる.《悲哀の徘徊者》で《ヤロクの沼潜み》をサクったら相手のドロー後にハンデスできたときはさすがに笑ってしまった.

 

1,2,3で《ロークスワインの元首、アヤーラ》,4でこいつ,5ターン目に《アスフォデルの灰色商人》を出してサクッてもう一回ETBやればだいたい勝てる.5キル.

 

 忘れてはいけないのが,この能力に4/4飛行がついてくること.最近の4マナクリーチャーはおかしいやつが多い.

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《悲哀の徘徊者/Woe Strider》

3マナ3/2 + ヤギ.ノーコストサクり台でサクると占術1.おまけに脱出.

スペックとしては普通.ヤギがついてくるので最低限の仕事はできる.

《悪夢の番人》が隣にいると,任意のタイミングでコピーを生成できる.前述の《ヤロクの沼潜み》を用いたドロー後ハンデスもやりやすくなる.このコンビは黒単に限らず他のデッキでも活躍しそう.

5マナ + 4枚で脱出ができるので,暇なときには5/4として復活できる.ヤギもついてくる.

 

総じて「平凡なサクり台」.《悪夢の番人》とコンビで他のデッキでも使ってみたい.

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《アスフォデルの灰色商人/Gray Merchant of Asphodel》

説明不要の神話コモン(アンコモン).ちゃんと回れば平気で7点くらいドレインするし,《包囲サイ》がかわいく見えるレベル.しかも《悪夢の番人》がいればもう1回ドレインする.

地味にタフネスが4もあり,そこそこ止まると思いきや,最近のクリーチャーはパワー4が多いので意外と頼りない.《探索する獣》が横をすり抜けてくる.

このデッキでは3枚だが,これを何枚引くかで勝敗が決することもあるため,4枚に増やしたほうがよいかもしれない.

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《死の国への引き込み/Drag to the Underworld

黒信心の数だけコスト軽減される《殺害》.黒単であればだいたい2マナ,色拘束も気にならないため感触は良かった.

色拘束が厳しいので黒単以外に入れようとは思わないが...


黒単信心(ボーラスの城塞型)

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[GRN - THB] 黒単信心(ボーラスの城塞型)

次は《ボーラスの城塞》と《アスフォデルの灰色商人》のシナジーに注目した黒単信心.

ミッドレンジ型とは異なり,1マナが猫かまどから《漆黒軍の騎士》に,2マナに《忘れられた神々の僧侶》と《ラゾテプの肉裂き》が採用された.

《ボーラスの城塞》のゲーム破壊力がすさまじく,運さえよければライフと《ボーラスの城塞》1枚からどんなデッキでも葬ることができる.新カードの《悲哀の徘徊者》の占術も相性が良く,少々土地が見えたくらいでは止まらない.

 

《漆黒軍の騎士》は単体で完結した強力なクリーチャーで,対処できなければ《アスフォデルの灰色商人》とか関係なく死ぬ.猫かまどのパッケージはそろえば強いが単体だとそうでもない上にデッキスロットを食うので,1種類で完結するこちらを採用している.

《ラゾテプの肉裂き》は感触は悪くなく,《ロークスワインの元首、アヤーラ》で2点ドレインできたり,1枚で《忘れられた神々の僧侶》の種になったりと案外活躍した.

《忘れられた神々の僧侶》はやや上振れ寄りのカードであるものの,《ラゾテプの肉裂き》とセットでミッドレンジ型に採用してもいいかもしれない.


スゥルタイラザーヴ

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[GRN - THB] スゥルタイラザーヴ

ここからは,新タイタンの《自然の怒りのタイタン、ウーロ》を使った青緑系のデッキを2つ紹介.

 

まずは《万面相、ラザーヴ》と《自然の怒りのタイタン、ウーロ》のシナジーに注目したデッキ.

正規の方法では出すのにひと手間かかる《自然の怒りのタイタン、ウーロ》を,《万面相、ラザーヴ》でコピーして不正に能力を使ってやろうというのがコンセプト.

《万面相、ラザーヴ》でコピーするためには対象を墓地に置いておく必要がある.《自然の怒りのタイタン、ウーロ》は自力で墓地に行くが,他の墓地肥やしとしてお馴染み《茨の騎兵》と新カード《ティマレット、死者を呼び出す》を採用.

あとはマナクリと《世界を揺るがす者、ニッサ》《ハイドロイド混成体》で脇を固めて完成.

新カードの感想

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《自然の怒りのタイタン、ウーロ/Uro, Titan of Nature's Wrath》

初回キャスト時はソーサリーのような感じで,4マナ + 5枚で脱出時に6/6のクリーチャーとなる.固有能力は「3点ゲイン + 《成長のらせん》」.これがETBと攻撃時に誘発する.

3点ゲインは3色デッキ特有のショックランドで傷ついた身体に沁みる.《成長のらせん》が強いため当然こいつも強く,3→5で《世界を揺るがす者、ニッサ》につなぐこともできる.

 

とはいえ,3マナで3点ゲイン + 《成長のらせん》のソーサリーとして使ってはさすがにコモン級(《成長のらせん》がコモンなため).こいつの真価はやはり脱出後にある.

脱出後は6/6のクリーチャーとして立ちはだかる.トランプルなどの回避能力は持っていないが,サイズがでかいのでまず止まらない.ETB能力は攻撃時にも毎回誘発するためライフがみるみる回復する.そのため,こいつの攻撃を1度許してしまうとアグロは相当厳しくなってしまうだろう.

 

弱点として,脱出の色拘束と「墓地5枚」が意外ときついこと,伝説なので複数並ばないことがあげられる.また,脱出までにかなりタイムラグがあり,出てきたころに全体除去に巻き込まれて退場することもしばしばある.

 

肝心の《万面相、ラザーヴ》とのコンボだが,期待していたよりは微妙だった.3,4ターン目に変身して殴りに行ければよいのだが,2枚がそろうことがそこまでなく,変身スタック除去で破産するため,思ったよりも成功しない.

どちらかといえば,脱出用の墓地枚数が足りない時に代わりに変身して殴る,というような使い方が多かった.

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《ティマレット、死者を呼び出す/Tymaret Calls the Dead》

黒い《ベナリア史》.1,2章で3枚の墓地肥やしと2/2ゾンビ生成,3章でゾンビの数だけ占術とライフゲイン.

《ベナリア史》とは方向性が若干異なるものの,2/2を2体出しつつ墓地を肥やせるので良いカードだった.《ベナリア史》と同じく複数貼っても強力で,1枚目は2枚目以降のこれのゾンビの種になるため無駄がない.

 

総じて“丸い”カードだが,注意点として,クリーチャーが少ないデッキだとゾンビが出ないことがままある.土地やPWもはずれなため,ある程度デッキを選ぶ.


シミックトロールキング

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[GRN - THB] シミックトロールキング

 次は《貪るトロールの王》を用いたフードデッキ.

《マーフォークの秘守り》《湖に潜む者、エムリー》等で《貪るトロールの王》を持ちに送り,《魔女のかまど》で生産した食物で《貪るトロールの王》の高速召喚を狙うデッキ...だったが,普通にマナブーストして出すことのほうが多い.

《自然の怒りのタイタン、ウーロ》はETBで墓地へ行ってしまうため,その前に《魔女のかまど》にぶち込むことで無駄なく処理できる.また,普通に3→5マナ《ギャレンブリグ城》で6マナ出して《貪るトロールの王》につながる.

他の新カードは《鋭い目、ナイレア》.クリーチャーの召喚コストを1軽減するので,こちらも4→6《貪るトロールの王》とつながる.地味に《貪るトロールの王》は信心が4つあるため,自身の信心と合わせて《鋭い目、ナイレア》が顕現する

 

フードデッキとしてはを失ってしまったが,《意地悪な狼》の制圧力は健在.ドレッジ型の《貪るトロールの王》デッキとしても,墓地の使い道が《自然の怒りのタイタン、ウーロ》によって増えたため,より強力になったと考えられる.

 新カードの感想

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《鋭い目、ナイレア/Nylea, Keen-Eyed》

緑の神様.4マナ5/6破壊不能に神共通の顕現条件.固有能力はクリーチャーのコスト軽減と,3マナ起動でハンドアドバンテージを稼ぐもの.

《貪るトロールの王》との相性は前述の通りで,《貪るトロールの王》1体で顕現するので即座に5/6破壊不能で殴りに行ける.《貪るトロールの王》の他には,《茨の騎兵》も信心が多いため顕現しやすい.

また,起動型能力も悪くなく,《自然の怒りのタイタン、ウーロ》でマナが伸びがちなこのデッキでは暇なときに撃てるのでありがたい.外れても墓地において脱出のコストにすることもできる.

 

テーロスの神サイクルは初めて触れたが,破壊不能と顕現というシステムが神の場持ちをより良くしており,めったなことでは除去されることはない.

例えば,顕現中の《鋭い目、ナイレア》にクリーチャー除去が飛んできた場合,隣の《貪るトロールの王》を《魔女のかまど》にぶち込むことで《鋭い目、ナイレア》はクリーチャーをやめるため,除去をかわすことができる(《貪るトロールの王》本人は自身の能力ですぐに帰ってくる).エンチャントも対象にとれる除去だったならば,最悪《鋭い目、ナイレア》本人を《魔女のかまど》にぶち込んでご飯になってもらおう.

 

テーロス還魂記の神サイクルは白と青ばかりもてはやされているが,彼女にも全然ワンチャンあると思う.値段は200円くらいだろうが.

 まとめ

テーロス還魂記発売後の黒単信心と,《自然の怒りのタイタン、ウーロ》を使った青緑系のデッキを2つ試してみた.新カードの中では,特に黒系ミッドレンジの《悪夢の番人》と,ランプ系の《自然の怒りのタイタン、ウーロ》の活躍に期待ができそうだ.